4. 夢の中でも遊ぶ

留守番中に僕が退屈しないようにと、たくさんおもちゃをもらった。その中でも一番のお気に入りは、僕のシッポとそっくりなシマシマシッポの猫じゃらし。ブンブン投げて振り回していたら棒の部分が外れてシッポだけになってしまったけど、今でもしょっちゅう遊んでる。廊下や椅子の上に置き去りにしておくと、寝ぼけたボスがびっくりして「わあっ!」と叫ぶのが面白いんだ。僕のシッポが取れたと思うみたい。何しろそっくりだから。
おもちゃに遊び疲れると、ベッドやソファの上でひと眠りするんだ。ずいぶんと長い時間ねむりこけて、目をさましてもまだボスは帰ってこない。うさぎのデーヤンはケージの中のボールとバカみたいに遊んでる。ケージの隙間から前脚を入れてデーヤンとボールをそれぞれ、ちょいちょいとこづく。それにも飽きたら僕はまたベッドに戻って眠る。また眠りの雲に包まれて夢の中、誰かに頭をなでられて目が覚めるんだけど、見渡しても誰もいない。がっかりしてまた頭を両足の中にもぐりこませる。
夢の中で遊んで、また起きてと繰り返しているうちに、ドアが開いてやっと、やっと、ボスが戻ってくる。窓の外はもう真っ暗。ボスは「本当はもっと早く帰ってこようと思っていたんだけど」と言って僕に平謝りしている。僕はとっくにボスを許していたけど、お尻の下に隠し持っていたシッポのおもちゃを引っ張り出して、ボスの方に勢いよく投げる。「うわああっっ!!」僕がシッポを嚙みちぎったと勘違いしたボスの悲鳴を聞いて、僕は腹をかかえて笑う。