25. 二十年ぶりの再会

 ボスが西表島への旅から帰ってきた。僕はその間ずっとずっと昼寝三昧。
 20年ぶりに西表島へ行って、念願だった島の友人たちとの再会を果たし、ボスは心底嬉しかったみたいだ。心のどこかにあったつかえが取れたと言っていた。ずっと会いたかったみたい。
 ボスは島の人たちと釣りをして、滝を見に沢登りトレッキング、友人宅での宴で釣った魚を食べてイノシシの肉を焼いてもらい、三線を弾いて歌を聞かせてもらうなど、島での時間を存分に楽しんだと大満足していた。もちろんピケ・ヘルナンデスはどうしているかなって、忘れなかったよと付け加えた。
 20年ってすごいなって思う。僕がもし、この間から行方不明のピンク色のあいつと20年会えなかったらどうなるだろう。20年後に再会したら、ピンク色のあいつは僕のことなんて忘れてしまうかな? それとも、暗闇の中で毎日僕のことを思い出しながらずっと待っていてくれるのだろうか。そんなのどちらだって寂しいので、僕はいますぐピンク色のあいつを探しに行くことにした。20年なんて待てない。

ピケ・ヘルナンデスの知るかぎり
 1. ある夜のこと 2. パトロール開始
 3. 扉が開く日 4. 夢の中でも遊ぶ
 5. 冗談で一枚 6. 一日の始まり
 7. 僕がおそれるもの 8. 監視されてるっぽい
 9. おやつは永遠10. 窓の外には
11. 歌を教えてあげる12. 嘘やいたずらまみれの、一歳の誕生日
13. 誕生日とエイプリルフール14. 新しい世界へ、ついに進出
15. 空飛ぶピケ・ヘルナンデス16. うさぎの復活劇
17. ピケ・ヘルナンデス入り布団袋18. ピケ・ヘルナンデス監督の活動報告
19. 失踪中のあの子20. 得意技はたくさん
21. またまた復活!22. のびのび
23. のんびり応援24. パトロールと換毛な日々
25. 二十年ぶりの再会26. 二十年ぶりのライブ