46. 寂しいなんて言ってられるか

 今までがうそのように、朝晩が涼しくて寒いくらいだ。ようやく長い夏が終わったんだなって全身の毛で感じるよ。今朝はボスが、僕が大好きなガーゼの肌掛け布団をしまうのだと言ったので、そのことでケンカをした。このガーゼで爪を研いだり、中に入って、透けた天井をめがけて跳びかかったりつついたりして遊ぶのが本当に楽しかったんだ。夏のお気に入りだった。半年以上もお別れだというと寂しいよ。

 とは言えそうも言ってられない。もう少ししたら冬に向けての換毛期が始まる。衣替えに向けての準備が忙しくなるけど、その前に一休み。

ピケ・ヘルナンデスの知るかぎり
 1. ある夜のこと 2. パトロール開始
 3. 扉が開く日 4. 夢の中でも遊ぶ
 5. 冗談で一枚 6. 一日の始まり
 7. 僕がおそれるもの 8. 監視されてるっぽい
 9. おやつは永遠10. 窓の外には
11. 歌を教えてあげる12. 嘘やいたずらまみれの、一歳の誕生日
13. 誕生日とエイプリルフール14. 新しい世界へ、ついに進出
15. 空飛ぶピケ・ヘルナンデス16. うさぎの復活劇
17. ピケ・ヘルナンデス入り布団袋18. ピケ・ヘルナンデス監督の活動報告
19. 失踪中のあの子20. 得意技はたくさん
21. またまた復活!22. のびのび
23. のんびり応援24. パトロールと換毛な日々
25. 二十年ぶりの再会26. 二十年ぶりのライブ
27. ようやく一息28. 快眠月間
29. ジャマー月間に変更30. 何の音でしょう
31. まちがえないで32. テレビ観戦
33. ついつい手が出てしまう34. 僕がパトロールするわけ
35. 長生きの回36. 隠れマッチョ
37. カスカス声とフルート38. ペットセメタリー
39. あっという間にお盆休み終了40. 夏を取り戻す
41. 出てやるもんか!42. 大雨の日
43. タフなうさぎたち44. ほったらかしにされる
45. 秋に向けての毛づくろい46. 寂しいなんて言ってられるか
47. マッチョな試合が始まる48. 拝啓 お母さん
49. 寝たきりじいちゃんうさぎ