51. じいちゃんにプレゼント

一階にいるかれこれ半年も寝たきりのじいちゃんうさぎ。二階にいるうさぎのデーヤンの、美味しそうな牧草を僕がくわえて一階に降りていき、じいちゃんうさぎにプレゼントした。それを見てボスが大騒ぎしていた。デーヤンの牧草の方が、じいちゃんうさぎが食べてる草よりも良いにおいがしたからプレゼントしただけなのに、ボスは僕にそんな知能がないと思っている。
それは大きな間違いで、僕にだって悩みはあるし、好きなやつもいれば嫌いなやつもいるし、将来への希望だってある。猫がみんなただ毛づくろいやあくびをして、昼寝をしたりおやつを食べたり、何も考えずにのんびり生きていると思われていたらがっかりだ。
ちなみにじいちゃんうさぎは僕が良い香りの牧草をプレゼントした時、横たえた体を大きくふるわせて喜んでいたよ。起き上がることもできないし目も見えないけれど、彼にだって感謝や感情はあるんだ。


