14. 新しい世界へ、ついに進出

この家にきて半年。ついに開かずの扉は開け放たれた。これからはピケ・ヘルナンデスは一階に行ってもいいと許されたんだ。前に僕が言った通りになった。努力をみとめてもらい、信用を勝ち取れば必ず扉は開くんだってね。
一階には今まで見たことのない動物がうじゃうじゃ住んでいる。いつも吠えまくっているビビりのちっこい犬に、具合が悪そうに横たわっているウサギ、あれよあれよと増えてしまったんだという五匹のハムスターたち、ウニャウニャとゆったり揺れる蛇、ひなたぼっこを楽しむ亀に、なんか変なトカゲもいたかな? とにかく僕は動物たちを見て回るので大忙しになった。とりあえずうるさい犬にパンチを食らわせて、四つもあるハムスターのケージのパトロール。蛇を流し目で見つつ、長生きで賢そうな亀には丁寧にあいさつをする。常にやることがいっぱいなんだ!
特に目が離せないのがハムスターの一族だ。去年ペットショップからこの家にやって来た時は一匹だったらしいんだけど、数日経ってケージをのぞくと、一気に五匹に増えていたんだって。そんなことってある⁈ いつも忙しそうに、クルクル回る車に乗って走ったり、おがくずをせっせと集めて巣作りをしたりしている。こいつらを爪でひっかいてみたいけど、ケージの中に入っているので無理。せめて、さらにまた倍に増えてしまわないようにピケ・ヘルナンデスが見守らなきゃならない。
今日もこれから一階のパトロールに行かねばなので、今回の日記はこのへんで! ほんと忙しくて困ってるよ。