25. 二十年ぶりの再会

ボスが西表島への旅から帰ってきた。僕はその間ずっとずっと昼寝三昧。
20年ぶりに西表島へ行って、念願だった島の友人たちとの再会を果たし、ボスは心底嬉しかったみたいだ。心のどこかにあったつかえが取れたと言っていた。ずっと会いたかったみたい。
ボスは島の人たちと釣りをして、滝を見に沢登りトレッキング、友人宅での宴で釣った魚を食べてイノシシの肉を焼いてもらい、三線を弾いて歌を聞かせてもらうなど、島での時間を存分に楽しんだと大満足していた。もちろんピケ・ヘルナンデスはどうしているかなって、忘れなかったよと付け加えた。
20年ってすごいなって思う。僕がもし、この間から行方不明のピンク色のあいつと20年会えなかったらどうなるだろう。20年後に再会したら、ピンク色のあいつは僕のことなんて忘れてしまうかな? それとも、暗闇の中で毎日僕のことを思い出しながらずっと待っていてくれるのだろうか。そんなのどちらだって寂しいので、僕はいますぐピンク色のあいつを探しに行くことにした。20年なんて待てない。