18. ピケ・ヘルナンデス監督の活動報告

最近力を入れているのは一階のパトロール。なにしろウジャウジャ動物がいるので、チェックするのも大変なんだ。ハムスターの一族は巣作りや回転車での運動で忙しくしているし、亀はゆっくり水場に移動してる。ビビリ犬はそこらへんにマーキングして、蛇はウネウネと不思議なダンス。一度死にかけて復活したじいさんうさぎは再び寝たきりになったけどまだ生きてる。
画像は僕が、コオロギの監視をしているところ。この元気に飛び回っているコオロギたちは、蛇やトカゲのご飯になるのだそうだ。生きたまま食われるなんて、自分がと思うとぞっとするけどね。でも僕だって、飛んでいる鳥を捕まえたいし、泳いでる魚にかじりつきたいから。コオロギがケージから逃げ出してしまわないように、僕が監視しているってわけ。時々うっかり間違えたふりをして、ケージを倒してみたりもしてる。あわよくば、逃げ出すコオロギに噛みついてみたいからね。そのまま勢いで飲みこんじゃったりなんかして。
ボスはコオロギのことを「少しゴキブリみがある」と言って苦手なようなので、ボスの枕元にこっそり一匹置いておいても面白いだろうね。またお目玉をくらうだろうけれど。
というわけで朝晩の一階のパトロールは欠かさず、僕の重要なルーティーンになっている。そのうちみんなが僕のことを監督と呼ぶようになるよ。そういえば今日は僕の名前の元になったドジャースのキケ・ヘルナンデス選手が大活躍したらしい。監督気分で、後で試合をチェックしないとね。